自分の足で歩いてみることは、その土地と人のエネルギーにしっかり触れる有効な方法のひとつ。
そういう実体験があるので、生き物のエネルギーが強そうで前々から興味があった西表島を初めて訪れることが決まったとき、端から端まで歩いてみたいと思った。
Googleマップで西表島を調べると、島の南東から北西まで230度ほどを「沖縄県道215号白浜南風見線」がぐるっと通ってて、その南東にある南風見田、北西にある白浜地区まではおよそ50km。
それより先はどちらも道が表示されなかった。
西表島の豊かな生態系をがっつり感じようと思ったら島の内側に入っていくのがずっと良いのだけど、ツアーに申し込むなどしないと素人だけでは「危険」「自然保護」両方の観点から入ってはいけないので。
どうやら船に乗ったりすればきっちり一周もできるみたい(途中の宿で一周したことある人に出会った)。日程と体力との相談で、今回は2日でその50㎞を歩いてみることに。
なので正確には一周ではなく西表島の外周230度くらいの旅路なのだけど、「道が続く限り」ということで気持ちは一周…。
南風見田で友人がやっている宿「AmaYura 天響」から白浜の端を目指した。
出発まで
港に着いた瞬間、石垣島とはまた全然違う雰囲気。
天気が晴れていたのもあるけど、差し引いても、ぱぁっとエネルギーが明るいように感じて2人でテンション上がる。風が強い。
港の掲示に、「西表島の給水どころ」を発見。
コロナの影響で通常通りには給水できないかも、とのことだけど、いい情報をゲット。
公園で、海岸で、宿で、「天響」を営む友人の助けを借りて、大原~南風見田の風を感じる。穏やかで、いいところ。
「天響」で友人たちと豊かな時間を過ごして3日目の朝、そこに残るYURIと別れて一人、歩き始めた。
まずは1日目、南風見田から上原港を目指す(37km)。
【1日目】出発、日の出
6:20、太陽が顔を出す少し前。
西表島でも4月のこの時間は全然暑くない。
昨日買っておいた多めの行動食と水をリュックに入れて歩き出した。
Googleマップを見ると、時間的に21km先のホテルまで昼食を食べるところが無い。お店もほぼ無い。
暑くなる前にできるだけ距離を稼いでおきたいので、歩調は速め。
6:40、水平線に立ち込める雲から朝日が顔を出した。
島の南の海岸を東に向かって進んでいるので、朝日は前方から上ってくる。
聞こえてくるのは遠くの波の音、鳥たちの声、自分の息遣いと足音ぐらい。
静か。
↑写真左で煙を上げていたのはサトウキビ工場で、「西表糖業株式会社」さんの西表事業所。
この辺りは佐久田地区というらしく、「佐久田地区土地改良事業完了之碑」を見つけた。
人が住む環境、農業が上手くできるように人の手で土地改良が進められたのが伺える。
県道の両サイドには、繋がれたヤギさんがよく居て目が合う。
【1日目】大原(2.5km地点)
7時ごろ、300mくらいの大原のメイン通りに差し掛かる。お店はまだ何も開いてない。
キッチンカー、レンタカー屋さん、喫茶店、民宿、郵便局などがこの通りにギュッと集まっていて賑やかそう。
10分もしないうちにメインストリートを抜けると、すぐに大きな仲間川が現れた。
全長13.5kmもあるらしい。
イリオモテヤマネコの像がお出迎え。
川を渡ってすぐの竹富町立大原中学校。
「立志・自立・郷土愛」
立派な校庭やなぁ…。
【1日目】サキシマスオウノキ群落(8.8km地点)
そこからは田んぼと畑がたくさん広がる。
無人販売所がそこここに。
さすが西表島、県道沿いでも虫と植物のエネルギーはやっぱり力強い。
県道沿いに、普通に立派なバナナ生えとる!
このずんぐりむっくりしたバナナの実、島バナナかな?
そこでふと、左に入れる小道が。
「古見のサキシマスオウノキ群落遊歩道」だって。
入ってみた。
特徴の板根は上手く写真が撮れなかったけれど、道の先端でしっかり観察できる。
水面の上を歩くような遊歩道なので、普通は歩けないゾーンに入っていける感じがワクワクする。
【1日目】古民家カフェ 古見村(9.6km地点)
まだまだ歩く。
と、ふと現れた見覚えのある人の看板。
夏川りみのお母さんが営んでいる、美味しい料理屋さんがあるのはGoogleマップで調べていたけれど…
主張が想像の5倍強かった(笑)
今回は時間が合わず立ち寄れないけど、次があったら寄りたいなぁ。絶対美味い。
【1日目】おばちゃんたちのサヨリルーティン(10.5km地点)
その少し先の道端で休憩。
現在、出発からおよそ10km。
気温が徐々に上がってきた。足はまだ大丈夫。
お昼ご飯まで、あと11km。
それにしても、ここまで歩いている人とほぼ誰とも会わなかった。
朝と言っても、もう9時半を回ろうとしているところ。
車社会で、あんまり歩く習慣が無いのかな?
そんなことを考えていたら、大きな橋に差し掛かった。
お、初めて人の話し声が聞こえる…
おばちゃんたちが釣りしてる!
Kentaro「おはようございます~。何が釣れよるんですか?」
おばちゃん「サヨリよ~。今日はまずまずね」
立派なサヨリ、こんなところで釣れるんか!!
衝撃。
毎朝来はるんですか?と聞くと、潮目を読んで週に1回くらいとのこと。
このルーティンはうらやましすぎる。
大漁(笑)
現地の人と会話できると、一気に体が元気になる。
ずっと体で感じて頭で考えてエネルギーが自分の中で対流していたのが、コミュニケーションがとれると一気に外との流れが生まれる感じ。
ひとしきり喋って、また歩き出した。
お邪魔しました。
【1日目】遠くに由布島(13km地点)
時間帯によって浅瀬になっているので水牛に引かれて行けるという由布島。
今回は先を急ぐので、美原ロードパークという屋根とベンチがある休憩所から休憩がてら眺めるだけ。
どんどん歩く。
西表島の道端の雑草のデカさはレべチ(レベルが違う)。
県道の風景とは思えない自然のパワー。
これは、アダンっていうんだっけか。
と、右に逸れる小道が現れた。
海に出れるっぽいぞ。
足でも浸そうかと、入っていくと…。
(後半に続く)
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